海風とアップダウンに備える。ザ・ノース・フェイス スタッフに聞く、リアルなギア選び。


瀬戸内海のシーサイドを舞台に開催される「せとだレモンマラソン」。穏やかな空気が流れるこの大会ですが、そのコースは決して簡単ではありません。海風による冷え、アップダウンによる発汗――そうした変化にどう対応するかが、快適に走り切るための大きな鍵になります。今回は、ハーフマラソンの部に出走する2人の〈ザ・ノース・フェイス〉スタッフに、このレースの特徴を踏まえたギア選びのポイントを聞きました。
■プロフィール

[左] 鵜野貴行 ザ・ノース・フェイス 原宿エリア長 ランニング歴約16年。「ザ・ノース・フェイス スフィア」のストアマネージャーを経て現職。100マイルをはじめとするウルトラトレイルをこよなく愛する。せとだレモンマラソンは過去2回出場経験あり。
[右] 植村佳央梨 ザ・ノース・フェイス スフィア スタッフ ランニング歴約3年。「ザ・ノース・フェイス スフィア」の配属を機に、ロードランニングとトレイルランニングを始める。学生時代はフィールドホッケー部に所属。ロードレースは未経験で、今年のせとだレモンマラソンが初挑戦。
Outer 01
軽くてコンパクト。レース中も邪魔にならない。

ザ・ノース・フェイス「フライトインパルスジャケット」¥16,500
鵜野:このジャケットの最大の特徴は、軽くてコンパクトになること。マラソン大会では、スタート前は寒くても、走り出すとすぐに暑くなります。だからこそ、脱いだあとに邪魔にならないことが重要。このジャケットは手のひらサイズまで小さくなるので、パンツのポケットにも入れられます。メンズのLサイズで約50gという軽さは、フルジップ仕様ではかなり珍しい。〈ザ・ノース・フェイス〉のウィンドシェルの中でも、いちばん軽いモデルです。透け感があって、ジャケットを着たままゼッケンが見えるのも、レースでは嬉しいポイントです。 植村:このジャケットは、「とにかく軽い」という印象。レース前は体を冷やしたくないけれど、走り出したらすぐ暑くなるので、さっと脱げて、邪魔にならないジャケットは理想的だと思いました。持っていること自体を忘れそうなくらい軽く携帯できて、レース前の待機時間に体を温めるという意味でも、合理的な一着ですよね。
Outer 02
風や雨をしのぎつつ、不快な汗冷えを防ぐ。
ザ・ノース・フェイス「フューチャーライトトレイルピークジャケット」¥36,300
植村:レインジャケットでありながら防風性も備えているので、晴れの日の待機時間からレース中まで幅広く使えるアイテムです。最大の魅力は、「フューチャーライト」素材ならではの高い透湿性。汗をかいても内側が濡れにくく、着たまま走っても快適に感じられます。雨が降っても脱がずに走り続けられるので、天候が読みにくいレースでは大きな安心感がありますね。ウィメンズのLサイズで約110gと軽量で、雨の侵入を防ぎながら視界を確保できるワイヤー入りの立体フードや、フィット感を素早くに調整できる裾のドローコードなど、細かなディテールもよく考えられています。私は寒がりでペースもゆっくりめなので、体が冷えやすい人や、長く動き続けるレースには特におすすめしたいジャケットです。 鵜野:一般的なレインウェアに比べて、透湿性にかなり振っているのが特徴だと思います。ロードレースでは動き続けるので、汗を中に溜め込まないことがとても重要。内側が濡れると体温を奪われ、低体温のリスクにもつながります。風があって寒さを感じやすいせとだレモンマラソンでは、安心感のある選択だと思います。
Bottoms 01
スマホもボトルも、荷物はすべて腰まわりに。

ザ・ノース・フェイス「エンデュリスレーシングショーツ」¥12,100
鵜野:このショーツを選んだ理由は、収納力と安定感。合計8つのポケットがあり、ジェルやスマートフォン、400ml程度のソフトボトルまでまとめて収納できる。実際に使っていて感じるのは、とにかく揺れにくいこと。重さのある小物を入れても走りの邪魔にならず、腰まわりでしっかり安定してくれます。装備をミニマルにしたいレースでは、このショーツひとつで対応できる。ロードでもトレイルでも、長年愛用している理由です。 植村:ジェルやスマートフォン、ボトルまでまとめて収納できて、それでも揺れにくいのは本当に機能的ですよね。私は今回、バックパックを背負う予定ですが、身軽に走りたい人にとっては完成度の高いショーツだと感じました。
Bottoms 02
快適に走るため、そして効率的なリカバリーのために。

ゴールドウイン「コンプレッションロングタイツ」¥14,300
植村:このロングタイツは適度な着圧があり、走っているときの筋肉のブレを抑えてくれるので、疲労を感じにくいのが特徴です。最近はタイツ一枚で走るスタイルも増えていて、特に女性には取り入れやすいと思います。シンプルなデザインでトップスを選ばず、裏側がシームレス仕様なのも快適。荷物はバックパックに収納するつもりなので、ポケットがない点も特に気になりません。 鵜野:ランニング中だけでなくリカバリー用途でも使えるのがタイツの良さですね。僕の場合はレース後や移動中、就寝時には必ずフルレングスのタイツを穿きます。筋肉のブレを抑えてくれるので、翌日の疲労感がまったく違う。走る時間と休む時間を切り替えて考えても、コンプレッションタイツの価値はとても大きいと思います。
Gear 01
反発と安定のバランスがちょうどいい。

ザ・ノース・フェイス「アルタメサ 500 ロード」¥23,980
鵜野:このシューズは、ハイクッションなのに安定感が高いところが気に入っています。ミッドソールが幅広につくられているので横ブレが少なく、足がまっすぐ前に出ていく感覚がある。クッションはしっかりありますが柔らかすぎず、グラつかずに安心して走れます。キロ5分後半から6〜7分くらいのペースで走る自分には、この反発と安定のバランスがちょうどいい。移動からレース本番までこれ一足で対応できるので、遠征レースでは特に重宝しています。 植村:私は同じ「アルタメサ」のロードモデルのなかでも、「300」のモデルを履こうと思っています。「500」に比べてクッション性がやや控えめで、より安定感があるのが特徴です。フォームも少し硬めなので、足首まわりに安心感があり、ハーフマラソンくらいの距離にはちょうどいいと感じています。レスポンスが良く、自分のリズムで走れる感覚があるので、クッションに頼りすぎず走りたい人に向いていると思います。走り方や好みに合わせて選べるのが、「アルタメサ」シリーズの魅力ですね。
Gear 02
トレイルラン用のバックパックを、ロードレースでも活用。

植村:トレイルラン用のバックパック「TR」シリーズのひとつで、容量は6リットル。今回のせとだレモンマラソンでは、これを背負って走る予定です。スマートフォン、ジェル、マイカップ、ボトルなど、レースに必要なものはすべて収納できるうえ、前面ポケットの容量が大きく、走りながらでもアクセスできるのが魅力。背面には通気性が高く保水しにくい「モノメッシュ」を採用しているので、蒸れも気になりません。ベスト型で体にしっかりフィットし、揺れにくい。マイボトルやマイカップが必要なこの大会では、大いに活躍すると思います。 鵜野:自分の場合、収納はショーツにまとめますが、荷物が多い方はバックパックを背負うのもひとつの手です。この大会は離島ならではの景色やエイドステーションの食を楽しみにしているランナーも多いので、レース中に立ち止まる人も少なくありません。そういう意味では、バックパックでアウターやミドラー、小物類の出し入れをするのもオススメです。走り方や楽しみ方に合わせて、自由に装備を選べる大会だと思います。
レース当日を想定したふたりのスタイリング。

トップス:ザ・ノース・フェイス「フライトインパルスジャケット」¥16,500
パンツ:ザ・ノース・フェイス「エンデュリスレーシングショーツ」¥12,100
シューズ:ザ・ノース・フェイス「アルタメサ 500 ロード」¥23,980

トップス:ザ・ノース・フェイス「フューチャーライトトレイルピークジャケット」¥36,300
タイツ:ゴールドウイン「コンプレッションロングタイツ」¥14,300
シューズ:ザ・ノース・フェイス「アルタメサ 300 ロード」¥19,910
バックパック:ザ・ノース・フェイス「ティーアール6」¥23,100
ソフトボトル:ザ・ノース・フェイス「ランニングソフトボトル500」¥3,520
せとだレモンマラソン攻略のヒント。
――最後に、せとだレモンマラソンの特徴を踏まえたレース対策と意気込みを伺います。まずは過去に出走経験のある鵜野さんから。この大会をどう感じていますか?

鵜野:大会全体の雰囲気は、とてもアットホーム。規模が大きすぎない分、運営、ランナー、地元の方々の距離が近くて、一体感がある。そこがまず大きな魅力だと思います。それと何より、景色がいい。瀬戸内の島並みを眺めながら海岸線を走れるコースは、本当に気持ちがいいです。遠くに島や橋が見えたり、コース沿いにレモン畑が広がっていたと、瀬戸内らしさがぎゅっと詰まったコースだと感じています。
――コースは前半にアップダウン、後半はフラットが続く構成です。攻略のポイントは?
鵜野:前半は島の中のアップダウンが続くので、想像以上にタフです。そこで突っ込みすぎると、後半の気持ちいい区間で足がもたなくなる。だから、前半は我慢が大事ですね。後半はフラットとはいえ距離が長く、細かな勾配もあります。その区間を海を眺めながら余裕を持って走れて、「来てよかった」「つらいけど楽しい」と思いながらゴールできるのが、いちばん理想的な展開だと思います。
――他のロードレースと違う点として、マイボトル・マイカップが必要な点も特徴的ですよね。
鵜野:そうですね。走りながら水分を補給できるマイボトルに加え、給水所でジュースなどを飲む際はマイカップがあるとスムーズです。取り出しやすい位置にマイカップを入れておくことは、事前に意識しておきたいポイントだと思います。

イエローのソフトカップはせとだレモンマラソンの参加賞。
――続いて植村さん。せとだレモンマラソンにどんな印象を持っていますか?
植村:スタート後は橋を渡って島を周回し、そのあとは海沿いのフラットな道を走るコースだと聞いています。島で走る経験自体がなかなかないので、海沿いの景色や空気感、地元の方の応援も含めて、その場の雰囲気をしっかり味わいながら走りたいです。スピードを狙うというより、まずは完走を目標に、楽しみながら走るつもりです。
――あとは当日の天候も気になるところ。年によって寒さや海風の強さも違います。植村さんは瀬戸内エリア自体が初めてですか?
植村:そうなんです。瀬戸内は海も人も穏やかで、独特の空気感があるそうですね。レースだけでなく、旅行も兼ねてすごく楽しみにしています。
――最後に、それぞれの目標を教えてください。
鵜野:ハーフマラソンは、毎回ギリギリ2時間を切るくらいで走っていて、せとだレモンマラソンも過去2回とも2時間以内で走れています。今回も目標は2時間切りです。
植村:トレイルは短い距離のレースに出たことがありますが、ロードレースは今回が初めてです。まずは完走が目標で、タイムは2時間半くらいを目安に考えています。初めてなのでやってみないとわからないですが、エイドの食や沿道の応援を楽しみつつ、最後まで笑顔で走り切りたいと思います!
Photo_Kanta Nakamura
Text_Issey Enomoto

