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走る前と、走ったあとに。瀬戸田で立ち寄ってほしい10の場所

瀬戸田には、走る前日や、走ったあとに立ち寄りたくなる場所が数多くあります。海を眺めて気持ちを整えたり、島の歴史に触れたり、ゆっくり景色を味わったり。ランニングそのものとは少し違う時間ですが、そのひとときが、島で過ごす一日をより豊かなものにしてくれます。

 

せとだレモンマラソンで瀬戸田を訪れるなら、走るだけで終わるのは少しもったいないかもしれません。走る前日に足を運んでみるのもよし、走り終えたあとにゆっくり巡るのもよし。

 

ここでは、そんな時間に訪れてみたい、瀬戸田の風景や歴史、暮らしを感じられる場所を紹介します。島を知ることは、次にこの道を走るときの楽しみを、きっと増やしてくれるはずです。

 

瀬戸田サンセットビーチ

瀬戸田の西側に広がる「瀬戸田サンセットビーチ」は、白い砂浜と穏やかな波が特徴の全長800メートルの海浜公園。遠浅で子ども連れにも安心な海水浴場として人気を集め、「日本の水浴場88選」にも選ばれている。名前の通り、夕暮れ時には瀬戸内海に沈む美しい夕日が海面を照らし、静かな感動をもたらしてくれる。敷地内には、シャワーや更衣室、売店、レストランのほか、キャンプやバーベキューが楽しめるエリアも併設。SUPやシーカヤックなどのアクティビティも体験できる。レンタサイクルの拠点としても利用されており、しまなみ海道を旅するサイクリストの立ち寄りスポットにもなっている。

 

高根島灯台

生口島の北側に位置する高根島の海岸に建つ「高根島灯台」は、瀬戸内海を行き交う船の安全を見守り続けてきた灯台である。周囲には穏やかな海と島影が広がり、瀬戸内らしい静かな風景を望むことができる。白い塔は青い空と海に映え、素朴で端正な姿が印象的である。灯台の周辺は視界が開けており、潮の流れや行き交う船をゆっくり眺められる場所でもある。時間帯によって海の色や光の表情が変わり、夕方にはやわらかな光が海面を照らし、穏やかな景色が広がる。道中は整備されていない場所も目立つが、その分、瀬戸内の静けさや空気をそのまま感じることができる。島の自然の中で、ゆったりとした時間を過ごしたいときに立ち寄りたい場所だ。

レモン谷

生口島の北西部、多々羅大橋のたもとに広がる「レモン谷」は、瀬戸田を代表するレモン畑の風景が広がるエリア。斜面に沿ってびっしりと植えられたレモンの木々は、初夏には白い花、秋には青い実、冬から春にかけては黄色い果実と、季節ごとに異なる表情を見せる。瀬戸内の温暖な気候と潮風、陽光に恵まれたこの地は、明治時代から続くレモン栽培に最適な環境として知られ、日本一の産地としての歴史を誇る。しまなみ海道をサイクリングする際には、このレモン谷の中を走り抜けるルートがあり、柑橘の香りに包まれながら風景の中を駆け抜ける贅沢な体験ができるのも魅力のひとつ。

観音山展望台

生口島の中央部、小高い山の上にある「観音山展望台」は、瀬戸内海と島々の景色を一望できる展望スポットである。車で行くことができ、視界が大きく開けており、瀬戸田のまち並みや周囲の島影、行き交う船まで見渡すことができる。晴れた日には、穏やかな海の色と空の広がりが重なり、瀬戸内らしいやわらかな風景が広がる。時間帯によって光の角度が変わり、朝は澄んだ空気の中でくっきりとした眺めを、夕方にはやわらかな光に包まれた静かな景色を楽しむことができる。展望台の周辺は木々に囲まれ、風の音や鳥の声が静かに響く。多島美をゆっくりと味わいたいときに立ち寄りたい場所である。

多々羅大橋

生口島と大三島を結ぶ「多々羅大橋」は、しまなみ海道を代表する橋のひとつであり、全長約1,480メートルを誇る斜張橋である。1999年に開通し、完成当時は世界最大級の斜張橋として知られた。二本の主塔から伸びるケーブルが扇状に広がる姿は美しく、瀬戸内の穏やかな海と島々の風景の中で、ひときわ印象的な存在となっている。橋の上には自転車と歩行者の通行路が整備されており、海面を間近に感じながら渡ることができる。橋の中央付近には広島県と愛媛県の県境があり、島から島へ渡る途中で県境を越えるという、しまなみ海道ならではの体験ができる場所でもある。また、中央部には「鳴き龍」と呼ばれる場所があり、手を打つと音が反響して独特の響きが返ってくる現象でも知られている。

島ごと美術館

「島ごと美術館」は、生口島全体をひとつの美術館に見立て、屋外に点在する彫刻作品を巡りながら鑑賞することができるアートプロジェクトである1989年に始まり、瀬戸田の風景や暮らしの中に溶け込むように、国内外の作家による作品が島内各所に設置されている。作品は海辺や公園、道沿いなど、日常の風景の中に自然に置かれているのが特徴である。特別な展示室に入るのではなく、歩きながら、あるいは自転車で走りながら、ふと作品に出会うという体験ができる。島の景色そのものが展示空間となるこの場所では、アートと風景、そして人の暮らしがゆるやかにつながっている。

高根大橋

生口島と高根島を結ぶ「高根大橋」は、柑橘の振興への願いを込めて造られた、オレンジ色のアーチが印象的な橋である。全長は約205メートル。瀬戸内の穏やかな海と島の風景の中で、そのやわらかな曲線と温かみのある色がよく映え、通りかかる人の目を引く存在となっている。橋の上からは、入り組んだ海岸線や小さな漁港、行き交う船の姿を間近に眺めることができる。潮の満ち引きによって海の色や流れが変わり、時間帯によって異なる表情の景色が広がるのも魅力である。橋の色に込められた願いのとおり、この地域では柑橘が暮らしと風景の両方を形づくってきた。橋を渡ると、そのことが自然と実感できる風景が広がっている。

平山郁夫美術館

生口島・瀬戸田にある「平山郁夫美術館」は、日本画家・平山郁夫の生誕地に建てられた美術館である。シルクロードを題材とした作品をはじめ、幼少期から晩年までの画業をたどることができ、多くの代表作や習作が収蔵・展示されている。館内は自然光をやわらかく取り入れた落ち着いた空間となっており、作品と静かに向き合う時間が流れている。また、館内には庭園を眺めながら過ごせるカフェも併設されている。瀬戸内の穏やかな光や緑を感じながら、ゆっくりとくつろぐことができる場所である。現在は、「しまなみ海道五十三次」シリーズ全60点のうち30点を展示する企画など、瀬戸内の風景を題材にした作品をまとめて鑑賞できる機会も設けられている。

向上寺

生口島の北部、潮音山の中腹に佇む「向上寺」は、瀬戸田港を見下ろすように静かに建つ、室町時代初期に創建された歴史ある寺院。境内にそびえる三重塔は1432年に建立され、国宝に指定されている。朱塗りの塔は高さ約19メートル。各層に施された花頭窓や、和様と唐様を融合させた造りが美しく、瀬戸内海の青に映えるその姿は、訪れる人の目を引く。本堂は明治期の火災で焼失したが、2010年に再建。境内には広島県指定重要文化財の梵鐘(ぼんしょう)も残り、澄んだ音色を響かせている。向上寺は中国三十三観音霊場の札所のひとつでもあり、急な坂道を登った先に広がるこの場所では、歴史と自然が調和した穏やかな時間が流れている。

 

 

耕三寺

潮聲山耕三寺は、大阪で特殊鋼管製造会社を設立し成功を収めた耕三寺耕三が、母への菩提追悼のために建立した浄土真宗本願寺派の寺院である。宇治の平等院鳳凰堂を再現した本堂をはじめとする境内の堂塔は、飛鳥から江戸まで各時代の代表的な仏教建築の様式や手法を取り入れて建立され、そのうち15の建築物が「国登録有形文化財」に登録されている。和上によって集められた2,500点にも及ぶ美術品や博物資料は、国の重要文化財16件、重要美術品19件を含み、質・量ともに優れ、仏教・茶道・近代美術の名品を鑑賞できる。また、現代美術として大理石庭園「未来心の丘」があり、四季折々に彩られる5万平方メートルの境内は極楽浄土を思わせる。

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